貴金属の刻印の見方|K18・Pt900とホールマークの違い【2026年】

貴金属の刻印の見方|K18・Pt900とホールマークの違い【2026年】

K18は金の純度が1000分の750であることを示す伝統的な表示で、造幣局が打つホールマーク(金は999・916・750・585・416・375の6区分)とは別のものです。造幣局は公式サイトで「K18、Pt900などの記号は造幣局の証明記号ではありません」と明記しています(2026年9月27日確認)。つまり、指輪の内側にK18とあっても、それは第三者機関が純度を検査した証明ではありません。

この記事は、手元のジュエリーをリフォームや修理に出す前に、刻印から地金の種類を自分で確かめておきたい人に向けた説明です。刻印の数字の読み方、造幣局のホールマークとの違い、刻印が見つからないときに店でどう扱われるか、サイズ直しで刻印が消えたときの打ち直し料金までを、造幣局の公表資料と、掲載店10店の公式サイトで確認できた範囲だけで整理しました。

刻印は見積もりの前提になる情報です。地金の種類が分かれば、工賃が素材で変わる店かどうか、下取りに出せる地金かどうか、そもそも火を使う修理ができる素材かどうかまで、相談の前におおよその見当がつきます。

目次

貴金属の刻印は2種類ある

ジュエリーに打たれている刻印は、大きく2種類に分けられます。ひとつは製造者や販売者が自ら表示する品位刻印で、K18・Pt900・SV925などがこれにあたります。もうひとつが造幣局の証明記号、通称ホールマークです。

造幣局は、貴金属製品の製造または販売をしている事業者からの依頼に応じて品位試験(分析を行い、製品に含まれる貴金属の純度の割合を調べること)を行い、合格したものに証明記号を打刻していると説明しています。ホールマークのデザインは、日本の造幣局の証明であることを示す日の丸と、千分率で品位を表すひし形の中の数字(プラチナの場合は白金または白金合金を示す記号を伴う)からなります。

重要なのは、この制度が任意だという点です。造幣局は「このマークは任意の制度として設けられています。そのため、市販されている貴金属製品にはマークのない製品もあります」としています。ホールマークが無いことは、偽物であることを意味しません。

項目 品位刻印(K18・Pt900など) ホールマーク(造幣局の証明記号)
打つ人 製造者・販売者 造幣局(事業者からの依頼に応じて)
表示の形 K18、18K、Pt900、SV925 など 日の丸+ひし形の中に千分率の数字
純度の検査 第三者の検査を伴うとは限らない 品位試験に合格したものだけに打刻
制度の性質 慣行として広く使われる表示 任意の制度(マークの無い製品もある)

造幣局は、金の品位証明区分「750」の刻印がある金製品についてはK18と同等であると言えるとしたうえで、「K18とだけ刻印のある金製品は、造幣局で品位を証明したものではありません」と補足しています。両者は同じ純度を指していても、証明の重みが違うということです。

数字とカラット表示の対応

ホールマークのひし形の中の数字は千分率です。金に750とあれば金の品位が75パーセント、銀に925とあれば銀の品位が92.5パーセントであることを意味します。日本で広く使われるカラット表示(K18など)は、純金を24として計算する伝統的な表示法で、造幣局ではカラット表示の刻印は行っていません。造幣局が公表している金製品の品位証明区分とカラット表示の対応は次のとおりです。

造幣局の品位証明区分(千分率) カラット表示 金の純度のめやす
999 K24 約99.9パーセント
916 K22 約91.6パーセント
750 K18 75パーセント
585 K14 58.5パーセント
416 K10 41.6パーセント
375 K9 37.5パーセント

品位証明の区分数は素材ごとに決まっており、造幣局によれば白金製品は4区分、金製品は6区分、銀製品は5区分、白金および金を接合した製品は5区分です。

古い品物を持っている場合に知っておきたいのが、表示が一度改正されている点です。造幣局は、平成24年4月以降に受付した製品から、貴金属合金の品位を定める国際標準規格(ISO9202)および日本産業規格(JIS H6309)に準じた新しい品位表示になったと説明しています。純金属の表示は「1000」から「999」に変わりましたが、証明している品位は同じです。同様に金製品の「917」は「916」、「417」は「416」と表示されるようになりました。また「835」「625」「500」の区分は平成24年4月以降に廃止されましたが、造幣局はこれらのホールマークが入った製品も同年4月以降、品位が証明されたものとして扱ってよいとしています。母や祖母から受け継いだ品に見慣れない数字があっても、それだけで価値が否定されるわけではありません。

ホワイトゴールド・ピンクゴールド・シルバーの刻印の読み方

色で呼び分けられる地金の刻印は、混乱しやすいところです。造幣局は、ホワイトゴールドを金を主体とする地金の色が白色系の金合金と定義し、750の刻印があれば金の品位が1000分の750、その他の金属(白色系のニッケルや銀、パラジウムなど)が1000分の250含まれていると説明しています。ピンクゴールドは金を主体とした地金の色がピンク系の金合金で、750なら残りの250は赤色系の銅などです。

そして造幣局は「金の品位(純度)が同じであれば、ホワイトゴールドもピンクゴールドも同じホールマーク表示となります」としています。つまり750のホールマークだけを見ても、その指輪がホワイトゴールドかピンクゴールドかイエローゴールドかは判別できません。色は見た目で、純度は刻印で確かめることになります。

名前の紛らわしさについても注意書きがあります。造幣局は「ホワイトゴールドを日本語に直訳すると『白金』となりますが、本来の白金はプラチナのことでありホワイトゴールドとはまったく異なるものです」と明記しています。買取や下取りの場面で価格が大きく変わる区別なので、混同しないようにしたい点です。

呼び名 よくある表示 造幣局の説明
ホワイトゴールド K18WG/750 金750+白色系のニッケル・銀・パラジウムなど250
ピンクゴールド K18PG/750 金750+赤色系の銅など250
スターリングシルバー SV925/925 銀925+その他の金属(主に銅)75
プラチナ Pt900/900 白金の品位が90パーセント(白金を示す記号を伴う)

刻印が見つからない・読めないときにできること

まず、自分で探す場所の見当をつけます。ジュエリーサロン エルドーは、素材を自分で確認する方法として「指輪内側などにPtなど素材の文字が刻印されている場合がございます」と案内しています。リングは内側、ネックレスは留め具の近くの小さな板が定位置です。

刻印の有無は、店の作業の進め方にも直結します。㈱ジュエリースバルは、指輪のサイズ直しの手順の1番目として「指輪の素材や刻印(K18、PT900など)を確認する」を挙げています。工房スミス 新潟店は、チェーンの修理について、K18やプラチナなどの貴金属で素材を示す刻印が入っているチェーンは溶接による修理ができる場合が多く、素材を示す刻印が入っていないチェーンは直接溶接をすることができないため、主に丸カンというパーツを使用した修理になる、としています。刻印が無いと修理方法そのものが変わり、仕上がりも料金も変わるということです。

なお、造幣局の品位証明は、貴金属製品の製造または販売をしている事業者からの依頼に応じて行われるものです。手持ちの1点を個人で持ち込んで純度を鑑定してもらう窓口ではない点は、あらかじめ理解しておく必要があります。刻印が無い品物の素材を知りたい場合は、リフォームや修理を扱う店に現物を見てもらい、受けられる加工の範囲とあわせて相談するのが現実的です。

サイズ直しやリフォームで刻印はどうなるか

サイズ直しでは、指輪の下側を切って広げたり詰めたりします。刻印がその位置にかかっていると、消えたり歪んだりすることがあります。ジュエリーリフォーム夢仕立 横浜元町店は、内側に刻印の入ったリングで刻印とかぶる位置に切断された跡があった事例について、加工に際して客の了解を得たうえで一度刻印を消し、サイズアップ加工をしてから再度刻印を打ち直す工程で修理したと説明しています。同店は別の事例で、ミルグレインの繊細なデザインを再現しつつ内側に入っていた刻印もきれいに残して仕上げたとも案内しています。

刻印を入れ直す、あるいは消す作業には料金表を公開している店があります。次の表は、掲載店の公式サイトで2026年9月27日に確認できた料金です。税の表示はページの記載どおりに記しています。

店舗 作業 料金 税の表示
河原宝飾 横浜芹が谷店(有限会社ジェメスト/ジュエリーリフォーム110番) スタンプ手打ち刻印(品位や石目の打刻) 200円〜/1スタンプ 税別
河原宝飾 横浜芹が谷店(有限会社ジェメスト/ジュエリーリフォーム110番) 刻印消し(浅い場合/深い場合) 2,000円〜/6,000円〜 税別
ジュエリーリフォーム&修理 Re:Switch 刻印打ち直し(刻印機使用) 2,000円(税込2,200円) 税別・税込とも表示
大阪梅田にあるジュエリーリフォーム&修理加工専門店 ジェムパレス 刻印(追加・打ち直し/レーザーの場合) 2,200円(基本料金)+110円(1文字あたり) 税込
㈱ジュエリースバル レーザー刻印(リング内側/表面/側面・15文字以内) 2,000円〜/3,000円〜/5,000円〜 記載なし
イーエックス上野(株式会社エクミス) 文字の刻印入れ 1,900円〜 税込

作業の中身は店によって分かれます。河原宝飾 横浜芹が谷店(有限会社ジェメスト/ジュエリーリフォーム110番)は刻印を4種類に分けており、そのうちスタンプ手打ち刻印について「主に、貴金属の品位(k18やpt900など)や宝石の石目などをスタンプで打刻します」としています。メッセージを入れる機械彫りは200円〜(税別)、手彫りは300円〜(税別)でいずれも1文字あたり、レーザー刻印はリング内側10文字まで7,000円(税別)で追加1文字700円(税別)です。刻印のみの依頼には追加諸経費として1,000円がかかるとも案内しています。刻印消しについては、浅い場合は磨きながら消し、深い場合はレーザー溶接機で刻印を溶かして埋めて消すため厚みが薄くなることは基本的にない、と説明しています。

ここで見落とせないのが、店が断る刻印があることです。同店は注意点として「メーカー/ブランドの刻印を、再刻印することは出来かねます」「貴金属の品位やキャラット数の異なる刻印は、受付出来かねます」と明示しています。実際の地金と違う品位の刻印を打つことはできない、という当たり前の線引きが公開されているわけで、逆に言えば、刻印は地金の内容と一致していることが前提の表示だということになります。

刻印と下取り・買取の関係

リフォームの見積もりでは、使わなくなった地金の下取りが代金から引かれることがあります。このとき効いてくるのが純度、つまり刻印の情報です。ジュエリーリフォーム夢仕立 横浜元町店は、片方だけのイヤリングや古い地金を下取りとして引き取るとしたうえで「重さ・純度・相場によって価格は変化いたします」と案内しています。ざまき(株式会社ジェムプラス)は、使わなくなったジュエリーをグラム単価で買取し、リフォーム代金から引くとしています。RJS有楽町店(アールジェイジュエリーサービス有楽町店)は、下取り予定の品があれば下取りの見積もりも一緒に出すと案内しています。刻印を確かめ、下取りに出す候補を一緒に持ち込めば、総額が動く余地があるということです。

一方で、刻印を見せる相手は選ぶ必要があります。消費者庁の特定商取引法ガイドは、自宅などで行われる訪問購入について、事業者は勧誘の要請をしていない者に対し相手方の自宅等で売買契約の締結について勧誘をし、又は勧誘を受ける意思の有無を確認してはいけない(不招請勧誘の禁止・法第58条の6第1項)としています。同ガイドは、いわゆる飛込み勧誘や、単に相手方から査定の依頼があった場合に査定を超えて勧誘を行うことは法に抵触するとも説明しています。さらに、クーリング・オフ期間内に事業者が直接物品の引渡しを受けるときは、相手方に対して引渡しを拒むことができる旨を告げなければならない(法第58条の9)と定められています。査定だけのつもりが売却の話になったときは、その場で渡さずに断れる、という制度の理解が守りになります。

刻印を確かめてから相談するときの注意点

  • 刻印は明るい場所でルーペを使って読む。摩耗して数字の一部だけが残っていることがあり、見えた文字だけで断定しない。
  • 750のホールマークやK18の表示は純度の情報であって、色(イエロー・ホワイト・ピンク)の区別ではない。造幣局は金の品位が同じならホワイトゴールドもピンクゴールドも同じホールマーク表示になるとしている。
  • 刻印が無い品物は、修理方法が変わることがある。工房スミス 新潟店が説明するように、チェーンでは丸カンを使う修理に切り替わる場合がある。
  • サイズ直しで刻印が消える可能性があるなら、見積もりの段階で「刻印は残せるか、残せない場合は打ち直せるか、費用はいくらか」を確認しておく。
  • ブランドのロゴ刻印は再刻印を受けない店がある。消してしまうと戻せないことを前提に判断する。
  • 自宅への突然の買取の勧誘には応じない。査定の依頼と売却の契約は別のもので、引渡しを拒む権利が告げられているかを確かめる。

相談から完成までの流れ

  1. 手元の品の刻印を確認する。リングは内側、ネックレスは留め具付近を見る。読めない場合は無理をせず、そのまま持ち込む。
  2. やりたいこと(サイズ直し、デザイン変更、修理)と、刻印を残したいかどうかを整理する。
  3. 店に現物を持ち込み、素材の確認と見積もりを受ける。地金の種類によって工賃が変わる店があるため、素材が確定してからの金額を聞く。
  4. 刻印が加工位置にかかる場合は、消すか打ち直すかを決める。打ち直しの料金は作業内容と文字数で変わる。
  5. 預かり証を受け取り、納期と補償の条件を確認する。
  6. 仕上がりを受け取るときに、刻印の位置と内容、仕上げの状態を確認する。

よくある質問

刻印が無いジュエリーは偽物ですか。

刻印が無いことだけを理由に偽物と判断することはできません。造幣局はホールマークについて「このマークは任意の制度として設けられています。そのため、市販されている貴金属製品にはマークのない製品もあります」としています。素材が気になる場合は、修理やリフォームを扱う店で現物を見てもらうのが確実です。

K18とホールマークの750は同じ意味ですか。

示している純度は同じです。造幣局は品位証明区分750の刻印がある金製品はK18と同等であると言えるとしています。ただし同局は「K18とだけ刻印のある金製品は、造幣局で品位を証明したものではありません」とも明記しており、第三者の検査を経たかどうかという点では別の表示です。

サイズ直しをすると刻印は消えてしまいますか。

加工する位置に刻印がかかるかどうかで変わります。ジュエリーリフォーム夢仕立 横浜元町店は、刻印とかぶる位置を加工した事例で、一度刻印を消してサイズアップ加工をしてから再度打ち直したと説明しています。刻印を残したまま仕上げた事例も公開しており、事前の相談で扱いを決めることになります。

刻印の打ち直しはいくらくらいかかりますか。

2026年9月27日に確認できた公式料金では、ジュエリーリフォーム&修理 Re:Switchが刻印打ち直し(刻印機使用)2,000円(税込2,200円)、大阪梅田にあるジュエリーリフォーム&修理加工専門店 ジェムパレスがレーザー刻印で基本料金2,200円に1文字あたり110円(いずれも税込)、河原宝飾 横浜芹が谷店(有限会社ジェメスト/ジュエリーリフォーム110番)がスタンプ手打ち刻印200円〜(税別・1スタンプあたり)としています。文字数や刻印の種類で変わるため、見積もりで確認してください。

実際の素材と違う品位の刻印を入れてもらうことはできますか。

できません。河原宝飾 横浜芹が谷店(有限会社ジェメスト/ジュエリーリフォーム110番)は、刻印に関する注意点として「貴金属の品位やキャラット数の異なる刻印は、受付出来かねます」と明記しています。メーカーやブランドの刻印を再刻印することもできないとしています。

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最終更新: 2026年9月27日。料金・対応内容は各店舗・各団体の公表情報(出典の確認日時点)に基づきます。店舗の紹介順は広告や店舗からの依頼によるものではありません。依頼前に各店舗へ最新の料金と納期をご確認ください。

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この記事を書いた人

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